2025年7月12日・13日、晴海ふ頭公園で記念すべき「第1回晴海ふ頭公園盆踊り大会」が開催される 。企画したのはHARUMI FLAG自治会長の荒瀬さん。一方、同日開催される「HARUMI FLAG 夏祭り2025」を共催するのが、数多くのマンションコミュニティ支援を手がけてきた株式会社新都市生活研究所(※)だ 。新しい街・晴海フラッグで、なぜ「盆踊り」なのか。そして、5000世帯を超える巨大コミュニティはどこへ向かうのか。自治会のリアルと未来について、新都市生活研究所代表の池崎が話を聞いた。
(※編集部注釈:新都市生活研究所は、はるみライフ+の運営会社です)
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左:HARUMI FLAG 自治会長荒瀬さん 右:(聞き手)新都市生活研究所代表取締役池崎
新しい街のリーダーへ。自治会長就任と見えてきた課題
池崎: 本日はお忙しい中インタビューを引き受けて頂きありがとうございます。まず、荒瀬さんが晴海フラッグに入居され、自治会長を引き受けられた経緯から教えていただけますか?
荒瀬: 私は、2024年の3月に入居したのですが、ちょうどその頃、掲示板に「自治会を立ち上げるので有志メンバー募集」という貼り紙を見つけたんです。これまで自治会やボランティアの経験は全くなかったのですが、「せっかくの新しい街で、新しい文化や多様性が生まれる瞬間に、自分で関わった方が絶対に楽しいだろう」と感じ、思い切って手を挙げました。
池崎: 最初から会長に、と?
荒瀬: いえ、最初は20名ほどの有志で「これからどうしようか」というセッションを重ねる中で、防災や資産価値向上といった自治会の目的を知り、「責任を持った方がもっと楽しそうだ」と感じて、最終的に会長を引き受けることにしました。
池崎: 実際に自治会を運営してみて、この5000世帯という巨大コミュニティならではの課題は見えてきましたか?
荒瀬: 課題は山積みですが、一番は防災です。合意形成や情報伝達ももちろんですが、いざという時に「隣の人が困っているかを知る手段がない」というのが現状です。これに関してはまだ検討を始めたばかりの段階なのですが、理想とのギャップが最も大きい部分だと感じています。
なぜ「盆踊り」だったのか? 新しい伝統でコミュニティの輪を
池崎:防災のような大きな課題がある中で、最初の大きなイベントとして「盆踊り」を選ばれたのはなぜだったのでしょうか。
荒瀬: 自治会発足後、みんなでやりたいことを書き出す「未来カレンダー」を作ったんです。ハロウィン、餅つき、ラジオ体操など様々なアイデアが出る中で、1年ほどかけてじっくり準備ができ、かつ中央区の助成金制度でも別枠で設けられている「盆踊り」をやってみよう、という話になりました。
池崎: 今回の企画で、最も重視されたポイントは何でしたか?
荒瀬: 二つの「広がり」を意識しました。一つは空間的な広がり。晴海フラッグの住民だけでなく、豊洲や月島といった周辺地域の方々にも参加してもらえる「輪」を作りたいと思いました。もう一つは時間的な広がりです。一過性のイベントで終わらせず、この町の「新しい伝統」として10年、20年と未来に繋がっていく。そんなイベントにしたいと考えています。
池崎: 新しい住宅地が、自分たちの敷地内だけでなく、地域全体を巻き込んでいこうというのは非常に珍しく、価値のある取り組みだと思います。
荒瀬: 自治会の任期は限られていますから、最初の2年間で「晴海フラッグを好き」と言ってくれる仲間を、内外に増やしていくことが目標なんです。そのためには、広く開かれたイベントにすることが重要だと考えました。
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2025年7月12日・13日に開催される「第1回晴海ふ頭公園盆踊り大会」
青写真で掴んだ信頼。前例なき挑戦の舞台裏
池崎: とはいえ、前例のないイベントの企画・運営は大変だったと思います。
荒瀬: 出店者さんとのやり取りが一番大変でしたね。当初は出店なしも考えたのですが、「せっかく来たのに飲み物も食べ物もない」では寂しいだろうと。ただ、僕らも初めてなので、保健所のルールや都立公園の決まり事を一つひとつ確認し、それを34店舗の皆さんと連携していく作業は想像以上に大変でした。
池崎: 晴海ふ頭公園に34店舗は相当すごい数ですね。しかもこれだけの規模となると、予算も自治会費だけでは賄えないと思いますが、協賛金集めはいかがでしたか?
荒瀬: それがもう大変で(笑)。企画の全体像が固まったのが3月末で、協賛のお願いに回れたのが4月。企業の意思決定期間を考えると、実質2〜3週間でお願いするしかありませんでした。
池崎: 1回目のイベントは実績がないので特に難しいですよね。私も新都市生活研究所の立ち上げは実績がない中で企業スポンサードを獲得するのは本当に大変でした。
荒瀬: まさに「青写真」でお願いするしかありませんでした。ただ、昨年開催したハロウィンイベントに3000人ほど集まった実績が少しはセールストークとして使えたかもしれません。結果的に、多くの方にご賛同いただき、目標の倍近い協賛金が集まりました。本当にありがたかったです。
池崎: 荒瀬さんのこの盆踊りにかけている気合と情熱を知っていたので、弊社も協賛することをにし、他社に営業をかける協力もさせていただきました。しかし、これだけの準備、眠れない夜もあったのでは?
荒瀬: よく聞かれるのですが、意外と眠れていまして(笑)。これは仕事ではなく、あくまで自治会活動。「みんなで作り上げるものだし、なるようになるさ」という気持ちで、良い意味で楽観的に捉えられていたのが良かったのかもしれません。
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気合と情熱でたくさんの出店が揃った
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盆踊りと同日に晴海フラッグ棟内で開催される「HARUMI FLAG 夏祭り2025」(共催:新都市生活研究所)では、人力車やドラコン大会、ロボットづくり体験会など、多彩なイベントが企画されている
この祭りの先に描く、20年後の“ふるさと”
池崎: 盆踊りという大きな挑戦の先に、この街の未来をどう描いていますか?
荒瀬: 10年後、20年後も、この街が「活発で豊かな町」であり続けてほしいです。人の出入りという新陳代謝はありながらも、「ここに住みたい」と外からも思われるような魅力的な町。そのためには、助け合いの文化や、盆踊りのような集まるきっかけという「伝統」が必要だと考えています。
池崎: 外からの目を意識する、他からここに住みたいと言われる街にしていく。それが巡り巡ってこの街の価値を向上させますよね。さて、この1年間の自治会活動を通じて見えてきた、住民の方々の特徴はありますか?
荒瀬: 一言でいうと「エネルギッシュ」ですね。2024年というタイミングで、賃貸であれ分譲であれ、自らの意思でこの町を選んで引っ越してきた方々なので、内に秘めたエネルギーに溢れていると感じます。
池崎: そのエネルギーを、どうやって街の力に変えていくかが重要ですね。
荒瀬: はい。来年以降は、もっと住民が主体になる仕組みを作りたいです。例えば、今回はプロにお願いした太鼓も、これをきっかけに「晴海太鼓の会」が発足して、来年は住民が叩く。そんな風に、各パートを住民が担っていく形が理想ですね。
池崎: 実は弊社、晴海エリアで別の盆踊り大会開催のお手伝いをしています。もし来年も携われるならぜひそちらも地元の人、晴海太鼓の会(仮)に叩いてほしいと思います! さて、最後に、これから入居される方や、自治会活動に興味がある方へメッセージをお願いします。
荒瀬: 自治会は立ち上がってまだ1年。まだまだ新しいメンバー、新しい考え方、新しい文化を必要としています。「住みやすい街って何だろう?」というところから、ぜひ一緒に議論し、活動できる仲間が増えたら嬉しいです。
池崎: 荒瀬会長のエネルギーと行動力、そして未来を見据える視点に感銘を受けました! この盆踊りが、晴海フラッグという街の大きな一歩となることを確信しています。本日はありがとうございました。
聞き手:池崎 執筆:はるみライフ+編集部
● 第1回晴海ふ頭公園盆踊り大会
主催:HARUMI FLAG 自治会 / 東部地区公園グループ
共催:HARUMI FLAG CLUB / 晴海テラス自治会
● HARUMI FLAG 夏祭り2025
主催:HARUMI FLAG CLUB
共催:HARUMI FLAG 自治会 / 株式会社新都市生活研究所
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