【前編】のらえもん✕すまいよみ対談:晴海フラッグの魅力と課題を徹底解剖!

コラム

こんにちは、マンションアナリストのらえもんです。今回は、マンションブロガーのすまいよみさんをお招きして、話題の大規模マンション「晴海フラッグ」について1時間ほど語り合ってみました。それぞれが考える晴海フラッグの魅力や課題、そして将来性について、二人の視点から徹底的に掘り下げていきます!

対談者プロフィール

のらえもん はるみライフ+筆頭ライター。東京湾岸エリアに住む妖精であり、マンションブロガー、マンションアナリスト。ブログとXとはるみライフ+では若干のキャラ分けをしています。Xフォロワー数5万人超、著書3冊。

すまいよみ 「東京イースト マンションブログ」を運営。後悔しないマンション選び、居住性の高いファミリー向け間取りを追求。城東エリア、東京23区東部の街やマンションについて日々情報発信している。

晴海フラッグの概要と共用施設

のらえもん:すまいよみさん、今日はよろしくお願いします。まずは晴海フラッグの全体的な印象、概論からお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

すまいよみ:よろしくお願いします!晴海フラッグは本当に規模が大きいですね。完成してから何度か共用施設などを見学させてもらいました。街区をまたがった共用施設が特徴で数も50以上もあって、ライフスタイルを広げてくれる多彩なサービスや共用施設が魅力です!
その共用部からですが、施設によっては使い勝手についてちょっと思うところがありました。例えばスタディルームやブースなどはボリュームが若干小さくて、集中する平日の午前中などは街全体の需要を取り込めなさそうとか、マッサージ機がパークビレッジにあるのですが3台しかないので、満員の時が続いたら、隣の街区からわざわざ行かなくなってしまうのではと感じました。

晴海フラッグ PARK VILLAGE B棟 LIBRARY LOUNGE(はるみライフプラス)

PARK VILLAGE B棟 LIBRARY LOUNGE


のらえもん
:なるほど。確かに共用施設の数は多いのですが、使い勝手という点では課題がありそうですね。コミュニティ拠点のFLAGCOREやSUNのカフェラウンジを使う人も多そうです。

すまいよみ:確かにそうですね。リモートの人も多いと思うので、作業する空間が棟内になくても、別の場所に探しにいけばどこかしらある感じですね。とにかく街全体としての魅力はすごくあります!

のらえもん:どういった魅力を感じましたか?

すまいよみ:例えると、温泉街にきた時に、街歩きでちょっと遊べる楽しさや開放感みたいな感覚でしょうか。休日だけでなくて平日の夜でも、「今日はスポーツバー行ってみよう」とか「足湯に行ってみようか」とか。ちょっと歩いたら「ららテラスHARUMI FLAG」があったり、お酒を飲める商店があったり。東京湾を行き交う船やレインボーブリッジを眺めたり。日常の中で、ちょっとした非日常感を味わえる良さを感じました。

晴海フラッグ PARK VILLAGE D棟 ASHIYU LOUNGE(はるみライフプラス)

PARK VILLAGE D棟 ASHIYU LOUNGE


のらえもん
:面白い視点ですね。確かに、晴海フラッグはマンションの集合体というよりも、一つの街として捉えた方が良いかもしれません。板状マンションの集合体でありながらも、湾岸エリアのタワマン的な要素があって、、、それはマンションの中、街区内で生活を完結させようという思想がありますね。
東京は街が連続しているので、隣町に行くのもシームレスですが、晴海フラッグは環状2号線までは三方海、どこの島ともつながっていないので、このエリアの中である程度生活ができるように完結させないといけない。そのため、ららテラスや区民センター、はるみらいなどの施設に加えて、共用施設を点在させているところがあります。

すまいよみ:細かい共用部が多いと感じるのは、街区内で完結させるためにはどんな施設が必要なのかを考えた結果なのかもしれません。回遊性が意識されている設計になっている印象です。

のらえもん:中にちょっとした芝生広場やじゃぶじゃぶ池みたいな公園もありますし、コンビニや酒屋などの商業施設もありますね。大きな買い物はできないかもしれませんが、日常的なものはだいたい済んでしまうかな。

すまいよみ:そうですね。より大きな買い物は環状2号線を越えて「ららぽーと豊洲」や「有明ガーデン」に行くことになるでしょう。東京BRTや都営バスに乗って、虎ノ門や銀座方面に出向く選択肢もありますね。

のらえもん:城東エリアには巨大マンションがたくさんあると思いますが、すまいよみさんから見て他のマンションと比べて特に違うと感じる点はありますか?

すまいよみ:「晴海フラッグ」のようなエリア全体の街区からデザインされている物件は少ないですよね。江戸川区南葛西エリアの「なぎさニュータウン」は、まさに今でいう湾岸エリアの開発で、駅から距離はある場所ですが、ニュータウン周辺は商業施設が集まるなど生活基盤がしっかりしています。今でも、周辺には新築マンションが分譲されていたり、その生活基盤を頼りに若い人も集まってきています。住人みんなが関わって叡智を集結していけば、未来まで元気な街であり続けるやり方はいくらでもあると感じます。「晴海フラッグ」も、将来を心配される声が聞こえますが、現地に来てみれば、それはないんじゃないかなとは思いますよね。

のらえもん:商業施設もそうだし、緑地公園とかグランドレベルの道路とか、中央区の区政が晴海エリアの公共施設をすぐそばに作り、新しい学校もそのエリアの人たちのために整備するなど、公共インフラと一緒にセットで開発された町というのは、昔の高島平団地のようなイメージがありますが、令和の時代になってこういった開発がされるのは珍しいですね。

眺望の魅力

のらえもん:次に、晴海フラッグの大きな魅力の一つである眺望について伺いたいのですが、すまいよみさんはどう感じましたか?

すまいよみ:私は一度夜に行ったことがあるのですが、印象的だったのは「SUN VILLAGE」側から見た勝どきのタワーマンション群の夜景です。なかなかのインパクトを覚えています。銀座のビル群の夜景や「東京タワー」も見えて、低層階でも十分眺望を楽しめると思いました。

「SUN VILLAGE」側から見た勝どきのタワーマンション群の夜景

SUN VILLAGE B棟 PARTY ROOM TERRACEから

 

「SEA VILLAGE」は海の最前列で、SUNは都心部よりの最前列ですね。ちょうど挟まれていて、北側は東京タワーとか銀座とか見えるし、南側は海が見える。昼間の眺望もいいですよね。

のらえもん:そうですね。晴海フラッグの位置は眺望的に本当に絶妙だと思います。他の湾岸エリアのタワーマンションと比べても、眺望の面では非常に魅力的だと感じました。
例えば、他の湾岸エリアのタワーマンションのパーティールームやスカイラウンジからは、基本的にレインボーブリッジを見下ろす形になり、東京タワーは遠くに見える感じです。でも晴海フラッグの場合は、海越しに少し見上げる感じになるんですよね。そこがまた良さがあるなと思います。

晴海フラッグ 晴海埠頭公園 (はるみライフプラス)

晴海埠頭公園


すまいよみ
:確かにそうですね。有明まで行くと都心部が遠くなってしまいますし、内陸に行けば海が遠くなる。その点、晴海フラッグは絶妙なポジションにあると思います。

のらえもん:最近、テレビのCMを見ると、ららぽーと豊洲あたりの豊洲ぐるり公園が使われることがものすごく多いんですよ。テレビマンからすると、いま一番開放的でイケてる感を出せるのがあのあたりの一帯ってことですよね。開放感としては晴海埠頭公園も非常に良いので、使い出すんじゃないでしょうか。

すまいよみ:海だけでなく、様々なタイプの船が出入りしていて、景色に動きがありますよね。竹芝桟橋とか晴海のところの海上保安庁の船とか、伊豆七島へ向かう客船とか。そういえば、晴海五丁目の船着き場から日の出方面に船通勤の実験とかも始まっていると思います。いろんなライフスタイルが味わえる面白いところですよね。

晴海フラッグ BLUE FERRYのHPより引用(はるみライフプラス)

引用:BLUE FERRYより

https://blue-ferry.mobi/

交通アクセス

のらえもん:交通アクセスについても触れたいと思います。特にBRT(バス・ラピッド・トランジット)について、すまいよみさんも実際に乗られたそうですね。

すまいよみ:はい、乗りました。子供が乗り物オタクなので、電車だけでなく最新のバスも(笑)。新橋からの近さに驚きました。ノンストップで新橋から晴海フラッグまで10分前後で行けて、バスの概念が変わります。

のらえもん:BRTは7月1日にダイヤ改正されて便数が増えましたよね。

すまいよみ:そうですよね。今後も更に本数が増えれば、スムーズな移動手段として電車感覚で使えそうです。

のらえもん:なるほど。あとは都心部と臨海部を結ぶ新線の計画もありますが、これについてはどう思われますか?

すまいよみ:完成までにはかなり時間がかかりそうですが、新線の計画は非常に楽しみですね。有楽町線の「豊洲」駅からの延伸もありますし、東京にインフラや人がますます集まってきますね。

のらえもん:確かに、日本において新線開発があるのは東京だけだと思いますし、しかも少し延伸するだけでなく、本当にガチの新規路線が来るかもしれないという期待感は、ここ晴海ならではかもしれませんね。

すまいよみ:そうですね。ちょっと話はそれますが、子どもに連れられてよく地方の鉄道も乗りに行きます。福井、富山や宇都宮などの地方では、次世代型の路面電車システム、LRT(Light Rail Transit)を採用しているところが多いんですよね。宇都宮では、街の活性化にいい影響を及ぼしている記事も読みました。新線が通ることで利便性は上がるので、期待して待ちたいと思います。

ららテラスについて

のらえもん:「ららテラス HARUMI FLAG」についてはどう感じましたか?

すまいよみ:1階に入っているサミットは広くて品揃えが良く盛況でした。私が行った時はオープン間もなくて混んでいましたが、試食ブースが何箇所もあったり、お弁当や惣菜も充実していました。
ただ、他の店舗については少し物足りなさを感じました。ラインナップを見ても知らないお店が多かったですね。同じららテラスでも南千住と比べると、ちょっと違う印象でした。

のらえもん:私もまったく同感です笑。サミットと2階の100円ショップは良かったのですが、他の店舗はまだ改善の余地がありそうですね。僕がイメージするららテラスは武蔵小杉で、そこはいつも人がいっぱいいます。晴海フラッグのららテラスも、もう少しサミット以外が賑わってくれるといいなと思います。
テナントリーシングのことを考えると、はやく住民が全戸に居住してくれないと…そもそも入ってくれないというところがあるんでしょうね。計画していた人口と乖離している実態はあるので。

すまいよみ:そうですね。例えば、ロイヤルホストが入っていますよね。美味しくて好きなチェーン店ですが、私なんかは高くて普段使いできません。人気もあって高単価なので、中央区であのくらいの店なら収益は取れるのでしょうか。有名な低単価のチェーン店では多分儲からないでしょうし。

のらえもん:はるみらいの2階に食堂があって、そこなら1000円で食べられますよ!そういった場所の方が日常的に使いやすいかもしれませんね。

晴海フラッグ はるみらい2Fレストラン「Haru-Meets」のランチ(はるみライフプラス)

はるみらい2Fレストラン「Haru-Meets」のランチ。950円

以上で前編を終わります。後編では、晴海フラッグの資産性や将来性、総合評価などについて語り合います。お楽しみに!

noraemon
のらえもん
東京湾岸のタワーマンションに住む妖精であり、マンションブロガー。湾岸エリアのロケーション、景色、マンション、生活をこよなく愛する湾岸ラバー。

関連記事

特集記事

TOP
CLOSE